今日も雪が降った。

皆は厄介そうに外を睨んだ。雲が堪えられずこぼれ落とした結晶は地面に落ちては溶けていった。

しばらくすると晴れているのに雪が降る天気に変わった。伊吹山を超えた瀕死の雲が霧散しながらその生を全うし、砕けていく。

 

もうこれ以上の雪は望めないだろう。だから非の打ち所のない晴天を期待する。

白く染まった伊吹山をこの目にみせてほしい