2016-12-01 くろとしろ 白い毛玉は黒い川を横切っていった。 そこそこの交通量がある道路だったが、その時に車は走っていなかった。 猫は前だけを見て急いで走っていた。僕に目をくれずまっすぐと。とにかく対岸へ早く渡ろうと必死だった。 渡りきると一息ついていた。僕はそれに近づいた。猫は僕の目を見ると一目散に闇に消えた。 白さは闇に溶けた。